ホテルなどの宿泊施設ではなく個人の自宅やマンションの一室に宿泊する民泊がこれ程広く知られるようになったきっかけはAirbnb(エアービーアンドビー)という米国発の民泊宿泊サイトの台頭です。ネット上で空き部屋を貸したい人(ホスト)と部屋を借りたい旅人(ゲスト)とをマッチングするこのサイトは2008年に誕生し急成長を遂げました。そして現在では楽天トラベルやBooking.comなど他のホテルサイトが民泊事業に参入しています。
日本国内においては人口が減少し続けているにも関わらず住宅戸数は増加を辿り、結果として空室率が過去最高レベルまで高まっています。つまり供給過多に陥ったアパートやマンションの経営・投資など、一般の不動産投資に対するリスクが高まり、それらの利回りや投資対象としての価値が低下しつつあるのが現状といえます。対して、2018 年の訪日外客数は、前年比 8.7%増の 3,119 万 2 千人で、日本政府観光局が統計を取り始めた 1964 年 以降最多となっています(31年1月JNTOプレスリリースより)。そして外国人観光客の増加とともに顕在化しているのが宿泊施設の不足です。政府は2020年の東京オリンピックの際に4,000万人の来日を掲げていますが、外国人観光客を既存の施設で賄うことは到底難しく、民泊サービスの活用はその宿泊施設不足の解消の一環として期待されています。